2023.12.12 |
台灣勞動新訊 |
最低賃金法可決 |
<意訳>
最低賃金法の施行を通して労働者の賃金を効果的に引き上げるため、立法院は本日「最低賃金法」を可決した。
同法では、中央所轄機関が最低賃金審議会を設置して毎年第3四半期に会議を開催することや消費者物価指数の年間上昇率に応じて最低賃金を調整しなければならないことが定められ、労働者と使用者が合意した賃金については、最低賃金を下回ってはならず、違反した場合、雇用主又は事業者は最大新台湾ドル150万元の罰金が科されるほか、直轄市、県(市)の所轄機関より事業者名、責任者名、処分日及び罰金額が公表され、期限までに改善されない場合は、回数に応じて処罰される。
事業者については、今後、雇用に係る給与に関する法律規定が定められる予定ではあるが、処罰を回避するため、労使の交渉条件に注意し履行する必要がある。
2023.09.06 |
労働関連 |
残業代に関してよくある違法状況 |
<意訳>
労働部労働条件及び就業平等司は、労働者が平日に残業又は休日に労働した場合には、原則として「労働基準法」第24条に基づいて残業代を給付するものとし、労働者が代休を選択し雇用主が同意したときに初めて同法第32条の1に基づいて代休とすることができるとしています。
雇用主が労働者に支払う賃金は分単位まで計算しなければならず、1時間未満の労働についても時間単位に換算後、「労働基準法」第24条に基づいて残業代を支給します。
雇用主が労働者に休日出勤を要求した場合、その残業代は休日関連の規定に基づいて倍額とし、「日給又は時給で報酬を計算する労働者」についても休日の残業代規定を遵守しなければなりません。
(引用:労働部労働条件及び就業平等司/2023-08-25)
2023.09.06 |
公正取引法関連 |
虚偽のフランチャイズ加盟広告や宣伝は処罰対象 |
<概要意訳>
公正取引委員会は、フランチャイザーがフランチャイズ加盟の説明で使用する説明文書に、原価、利益率の保証を謳いながらもそれを達成できなかった場合、それは取引判断に影響を与える虚偽不実、誤認させる表示であり、公正取引法第21条第4項で準用する第1項に違反するため、主管機関はフランチャイザーに対し、期限を定めてその行為の中止、是正又は必要な是正措置を命じ、新台湾ドル5万元以上2,500万元以下の過料に処すことができ、期限までに当該行為の中止、是正又は必要な是正措置を講じない場合、継続して当該行為の中止、是正又は必要な是正措置を講じることを命じ、当該行為の中止、是正又は必要な是正措置を講じるまで、その度新台湾ドル10万元以上5,000万元以下の過料に処すことができるとしています。
(引用:2023/8/17公正取引委員会ニュースより抜粋)
2023.08.01 |
労働関連 |
学生アルバイトも労働者退職金の保障を享有 |
<概要意訳>
夏季休暇期間の学生アルバイトも一般の労働者と同様に労働権益の保障を有し、雇用主は、労働者退職金条例の規定に従って夏季休暇期間の学生アルバイトにも労働者退職金を拠出し、かつ、雇用主拠出分を夏季休暇学生アルバイトの給与から控除してはならないと労働部は注意喚起しています。
労働基準法が適用される雇用関係を有する労働者に対して、雇用主は、労働者退職金条例の規定に従い、賃金月額の6%を下回らない退職金を毎月拠出し、労働保険局が設ける労働者退職金個人専用口座に積み立てなければなりません。
また、労働部は、夏季休暇期間の学生アルバイトは短期間の労働ではあるが、退職金の保障を有することから、学生アルバイトは、雇用主が毎月書面で通知する拠出済金額を確認するか、又は労働保険局の電子サービスシステム(https://Gov.Tw/Wxy)で労働者退職金の拠出について確認することができるとしています。
(引用:労働部労働福祉退休司/2023/7/25)
2023.02.10 |
労働関連 |
育児休暇は6ヶ月より短い期間を申請できるか否か? |
<意訳>
結論:1ヶ月の申請も可能、ただし申請は2回を限度とする。
2021年7月1日改正施行の育児無給休暇実施規則(仮訳)第2条第3項により、育児無給休暇期間は1回につき6ヶ月以上を原則とする。
ただし、被雇用者が6ヶ月未満を希望する場合は、30日を上回る期間をもって使用者に申請できるが、2回を限度とする。
(引用:台北市労働局就業安全課)
2022.10.12 |
判決要旨 |
法人格否認の例外状況 |
<意訳>
2022年度台上字第1744号判決要旨:「当事者の一方が、契約の自由を利用して(法律関係を)包み込み、間接的な迂回手段を用いて仲裁判断を回避し、仲裁判断に誤りをもたらした場合は、信義誠実の原則に違反していると言え、法律規定に符合しない。」「会社法人格と株主は、当然それぞれ独立性を有しているが、会社株主が会社制度を濫用したり、会社の独立法人格を利用して法律責任を回避又は契約義務から逃避して、法規範の強行又は禁止規定を回避する脱法目的を達成、若しくは社会経済に無秩序をもたらす等明らかに不公平な状況の場合は、信義誠実及び衡平原則に基づいて、例外的に会社の法人格を否認し救済することができる。」
2022.06.13 |
労働関連法令 |
求人時の給与に係る掲示について |
<意訳>
雇用主が求人の際に給与待遇について「応相談」と記載、又は賃金支給範囲を具体的に記載せず、求職者と面談の際に、給与に関して争議が生じることから、台中市政府労工局は、雇用主に対して、求人の際、毎月の経常的(定期的)支給給与が4万元に満たない場合は、就業服務法の規定に基づいて給与範囲を明確に告知しなければならないと注意を促しています。
この他、労工局は、経常的給与とは、基本給、固定的に支給される手当、賞与を含む雇用主が被雇用者に毎月支給する労働報酬を指し、残業代は含まないとしています。
(2022/6/12 「今日新聞」より)
2022.03.18 |
労働関連 |
従業員離職時の証明書について |
<要約>
昨年8月5日に労働部労働発展署台中就業センターに対して失業給付の支給を申請した男性が、就業センター担当者より解雇証明の退職日に疑義があるとして却下されました。その後9月4日に当該男性の元雇用主が台中検察署に自首及び告発したため、検察官より捜査、逮捕されました。
起訴状によると、当該男性は2010年から昨年6月まで台中市の眼鏡店に勤務していましたが、個人的な理由により自主退職することを雇用主に伝え、昨年6月25日から無給休暇を取得し、7月31日に正式に離職しました。
当該男性は離職日に自主退職届に署名しましたが、以後の求職活動に必要として雇用主に解雇証明を発行するよう求め、雇用主も情誼から「コロナウ
イルスの流行による深刻な損失、業務縮小のための人員合理化」と記載し、業務上不実記載として起訴猶予処分を受けました。
労働保険、健康保険及び国民保険等の申請を目的とした労働関連文書の使用については、人を錯誤に陥らせ財産又は利益を得ることに関係し、詐欺罪を構成することから、不注意で法に反することがないよう関連文書は必ず事実に基づいて記載しなければなりません。
(2022/3/18 「聯合報」)
2021.11.10 |
公正取引法 |
リスティング広告での同業他社名使用について |
世界中の200万室を越えるオンライン宿泊予約サービスを提供するagoda.comを運営するアゴダ社が、民国106(2017)年から110(2021)年3月17日において、リスティング広告に競合他社である四方通行社の事業名称を使用して、消費者が検索エンジンに「四方通行」等の文字を入力した際に検索結果として表示される競合他社名、タイトルの上又は下にアゴダ社のリンク先URLが表示されるようにしていたと公正取引委員会は指摘しました。
公正取引委員会が調査したところ、「四方通行」は四方通行社が登録する商標であり、アゴダ社が「四方通行」をキーワードとして出稿したことは、四方通行社とアゴダ社が関連企業であるとネットユーザーを容易に誤認させやすく、消費者が混同誤認又は事情を知らない状況で広告をクリックしてアゴダ社のオンライン予約サイトに誘導された結果、四方通行社が潜在的顧客と接触する機会が減少し、「四方通行」事業名の背後に含まれた経済的利益が損なわれた可能性が考えられ、アゴダ社は市場競争を制限又は妨げるために知名度における優位性を利用して他人の努力の成果を搾取するべきではなく、アゴダ社がGoogle及びYahoo奇摩等検索エンジンに上記広告を出稿してオンライン宿泊予約サービス市場の取引秩序に影響を与えたことは、公正取引法第25条に違反するとして100万元の過料を科しました。
(2021/11/3 公正取引委員会ウェブサイト)
2021.11.08 |
労働関連 |
2022 最低賃金調整 |
<意訳>
行政院労働部は2021年10月15日、2022年1月1日より最低賃金を次のように調整することを告知しました。
1、時給制:新台湾ドル168元/時間
2、月給制:新台湾ドル25,250元/月
(2021/10/15行政院労働部労働條2字第1100131349号公告より)
2021.10.04 |
労働関連 |
学生アルバイトも従業員福利厚生を享受し、企業は契約でその放棄を定めてはならない |
<意訳>
公営若しくは民営の工場、鉱山又は被雇用者が常時50人以上の金融機関、会社、個人事業主、農業、漁業、牧場等に雇用されている学生アルバイト及びパートタイマーは、従業員福利金条例が定める比率(毎月給与の0.5%)に基づいて従業員福利金を納付しなければなりません。
被雇用者が法に基づいて従業員福利金を納付することは即ち福利厚生委員会が行う各種福利措置を享受することであり、企業は、従業員が新人又はパートタイマーである等を理由に、従業員が享受する従業員福利厚生を制限してはなりません。
2021.03.04 |
労働関連 |
依願退職時の予告期間に関する定めは有効か否か? |
<意訳>
1、労働基準法に予告期間に関する規定がありますが、労使双方は業務上のニーズに応じて異なる予告期間を定めることができます。
2、労使双方で定めた期間が法律で定める期間より長い又は短い場合の効力について
→労基法第15条第2項及び第16条の予告期間に係る規定は、労働条件の最低基準であり、労働者の依願退職時に労使双方で定めた予告期間が法律規定より長い場合は無効となり、無効となった部分は、労基法の規定に置き換えられます。ただし、労使双方で定めた期間が法律規定より短い場合は、その定めに従うことができます。
参考《88年台労資二字第006099号》
2021.02.26 |
労働関連 |
使用者は従業員の給与から予め控除できるか? |
<意訳>労働基準法第26条では、使用者は労働者の賃金を違約金又は賠償費用として予め控除してはならないと定めています。所謂「労働者の賃金を予め控除する」とは、違約、賠償等の事実が未発生又は事実が既に発生していても責任の帰属、範囲の大小、金額の多寡等が確定しなければ、使用者は労働者の賃金を違約金又は賠償費用として予め控除してはなりません。
2021.02.26 |
労働関連 |
解雇時の退職金給付に係る労働者退職金旧制度及び新制度について |
<意訳>
旧制度が適用される場合:使用者が労働基準法第53条に定める退職条件(満55歳かつ勤続15年以上、勤続25年以上、満60歳かつ勤続10年以上)又は第54条に定める強制退職条件(満65歳)に該当する従業員を解雇する場合、労働基準法に基づいて労働者退職金を支給しなければなりません。(労働基準法第55条及び第84条2)
新制度が適用される場合:新制度として「労働者退職金条例」が2005年7月1日に施行され、使用者は、当該条例が適用される労働者について毎月労働者の賃金の6%を下回らない範囲で拠出し、労工保険局の個人口座に積み立てます。労働者も個人負担で毎月6%の範囲内で積み立てることができ、労働者が満60歳になったとき、労工保険局に退職金の給付を請求できます。
使用者が労働者を解雇するとき、労働者が当該条例第12条第1項に定める解雇手当給付規定に符合する場合、当該条例が適用される勤続年数の解雇手当を支給しなければなりません。(1年につき平均賃金の0.5か月分を支給、1年未満は比率に応じて計算、最高で6か月分を支給)
2020.09.14 |
労働関連 |
離職事由に対する認定が労使双方で異なる場合の解雇届出の必要有無について |
(意訳)労働者と雇用主が労使関係を終了させた後、労使双方の離職事由に対する認知が異なることから労使争議を申請し、雇用主が労働基準法第11条第5号に基づいて労働契約を終了させることに同意して調停が成立した場合は、雇用主は、調停成立日より3日以内に就業服務法第33条第1項但書の定めに従って届けなければなりません。
(引用元:新北市政府)
2020.09.14 |
労働関連 |
雇用主が無給休暇(就業時間の削減)を実施しても最低賃金を支給しなければならない |
(意訳)無給休暇期間について、会社は、就業時間に基づいて給与を調整できるが、労働基準法に定める労働者の基本的な生活保障に基づいて給与を支給しなければならず、基本賃金(現在の基本賃金は、23,800元/月)を下回ってはなりません。つまり、たとえ1か月間全面的に休業しても、雇用主は労働者に基本賃金を支給しなければなりません。
注:行政院労働者委員会97年12月22日労動2字第970130987号:「景気の影響を受け、休業又は減産を招いた場合は、労使双方の協議により暫時労働時間の削減及び比率に基づく賃金削減が可能であるが、労働者の基本的な生活を保障するため、月給制のフルタイム労働者に毎月支給する賃金は、基本賃金を下回ってはならない。」
(引用元:2020/1/13 台北市政府労働局就業安全科)
2020.08.06 |
食品安全法規 |
一般食品の商品名に「健康」の使用を禁止する規定について |
商品名に「健康」がついた食品を消費者が保健機能食品と誤認することを回避するため、衛生福利部は、食品及び関連商品の表示、広告の不実、誇大等を認定する準則の一部規定を改正し、検査を経て許可を取得した健康食品を除き、一般食品は「健康」の文字を商品名の一部としてはならないとしました。
本規定は、2022年7月1日より実施され、違反した場合は食品安全衛生管理法に基づき、新台湾ドル4~400万元の過料に処され、期限内の回収が要求されます。
(2020/8/4 衛生福利部食品薬物管理署ニュースより)
2020.06.20 |
民事賃貸借関連ニュース |
住宅賃貸借契約雛形等の審議、採択について |
<意訳>
国家全体の住宅政策の実現、健全な賃貸住宅市場における秩序の確立、悪質な家主が不合理な契約条項をもって借主を騙す、又は賃料不払いで住宅を占有する借主が悪意で住宅を破壊することによって生じる紛争を防ぐため、行政院消費者保護処(以下、「消保処」という)は、内政部が起草した「(仮訳)住宅賃貸借契約書ひな形及びその定型化契約における必要記載事項及び記載不可事項(改正草案)」を審議、採択しました。内政部より施行公布後、実施されます。
改正の主な重点は次の通りです。
1、名称の改正
2、目的物の確認及び賃貸借期間
(1)賃貸住宅が番地があるものに限らないことから、「家屋税籍番号」又は「位置略図」でも目的物を確認できることを追加。(必要記載事項第2点)
(2)日貸しにより派生する管理上の抜け穴を回避するため、賃貸借期間を最低30日と定めた(必要記載事項第3点)。
3、賃料調整及び敷金担保
(1)借主の権益を保障するため、貸主が賃貸借期間に賃料を値上げしてはならないことを定めた(必要記載事項第4点)。
(2)住宅賃貸借実務に合致させるため、「賃料滞納」、「賃貸住宅毀損滅失の損害賠償」及び「遺留物処理費用」を敷金担保範囲に組み込んだ(必要記載事項第5点)。
4、電気料金
貸主が不当に電気料金の差額を得ることを回避するため、電気料金は「夏」と「夏以外」に分けて計算し、かつ、「台湾電力が定める月間使用電力最高レンジの1度あたりの金額」を超えてはならない(必要記載事項第6点)。
5、修繕及び室内リフォーム
(1)賃貸住宅及び付属設備は原則として「貸主」が修繕する。貸主の修繕に必要な行為を借主は正当な理由なく拒絶してはならない。修繕期間に居住使用できない場合、借主は賃料の全額又は一部の控除を請求できる(必要記載事項第9点)。
(2)室内リフォームは貸主の同意を得るものとし、リフォーム増設箇所に損壊が生じた場合は「借主」より修繕する(必要記載事項第10点)。
6、賃貸借契約の終了
(1)法定終了
貸主及び借主が契約期間満了前に終了(解約)できる法定事由を定めると共に一定期間前(状況に応じて3か月又は30日)に書面で相手方に予告しなければならないと定めた。ただし、「公共の安全に危害を与える」「建築構造の安全に損害を及ぼす」又は「借主の安全、健康に危害が及ぶ」状況がある場合は、「前もって通知しなくてもよい」。(必要記載事項第17点及び第18点)
(2)合意終了
たとえ法定終了事由がなくても、賃貸借両当事者が権利衡平の前提要件のもとで、契約期間満了前に終了(解約)できるか否かを定めることができる。契約期間満了前の終了は、「少なくても終了1か月前」に相手方に通知するものとし、事前に通知しなかった場合は、相手方に「最高1か月の賃料」の違約金を賠償しなければならない。(必要記載事項第14点)
7、住宅の明け渡し及び遺留物の処理
迅速に賃貸借法律関係を終結させるため、賃貸借関係終了時の「賃貸住宅の明け渡し」及び「遺留物の処理」規定を定めた。(必要記載事項第15点及び第19点)
消保処は借主に対して、もし賃貸借契約の内容が「(仮訳)住宅賃貸借定型化契約必要記載事項及び記載不可事項」に合致しない場合は、自身の権益を守るため、貸主に修正を申し入れる、又は契約締結を拒絶することができると注意を促しています。
消保処はまた貸主に対しても、貸主が提示する賃貸借契約の内容は「(仮訳)住宅賃貸借定型化契約必要記載事項及び記載不可事項」の規定に合致しなければならず、もし契約内容と上記規定が合致しなければ、期限を定めて是正を命じ、期限までに是正されない場合は、主管機関は消費者保護法第56条の1に基づいて処罰できると呼びかけています。
行政院消費者保護会:
https://cpc.ey.gov.tw/Page/6C059838CA9744A8/f4621701-76b6-4a62-a827-f9a0823aa13b
2020.03.19 |
台湾ニュース |
入国制限について |
<意訳>
世界各地で新型コロナウイルス感染が拡大していることから、台湾政府は、台湾時間3月19日0時以降、居留証、外交公務証明、商務契約履行証明又はその他の特別許可を有する者を除き、台湾国籍者以外の入国を制限すると発表しました。
なお、入国後は14日間の自宅検疫が義務付けらます。
関連Q&A
- 査証免除又は停留・居留ビザで入国する場合→上記条件に符合する証明書類を有さなければなりません。また、国境において移民署審査官より入国可否を認定されます。
- 既に台湾に入国している外国人は台湾でビザの停留期限を延長できるか否か?→当事者に重大な不可抗力事由がない限り、台湾で停留期限を延長することはできません。政府はウイルスの感染拡大を理由に外国人の出国について制限しておらず、ビザの停留期限に応じて規定に従って出国しなければなりません。
- 台湾人又は合法に居留する外国人の外国籍配偶者及び未成年子女が居留証を有していない場合、入国可能か否か?→台湾の駐外公館で「特別入国許可」を申請してください。
- 外国人が台湾の中央目的事業主管機関に許可公文書を申請できるか否か?→可。ただし、訪台事由が「外交公務、商務契約履行又はその他特別許可」に符合しなければ入国することはできません。
- 単にビジネスで訪台する場合、入国できるか否か?→企業の契約履行目的に係る証明又は主管機関発行の招聘/契約履行許可文書を提示できなければ入国することはできません。
外交部領事事務局:https://www.boca.gov.tw/cp-56-5078-41ac3-1.html (参照:2020/3/19)
(意訳)司法院(台湾の司法機関)は、労働者の多くが経済的に弱い立場にあり、労使紛争事件を迅速に解決する必要があること等を踏まえて、労働事件を専門的に処理するため、労働事件法を制定しました。本法が民国109(2020)年1月1日に施行されましたので、重点をご説明いたします。
1. 本法は、民事訴訟法及び強制執行法の特別法で、労使双方は、本法に基づいて労働調停、訴訟及び関連する保全手続を進めます。
2. 適用範囲
(1) 本法の施行前に既に発生した労働事件も適用されます。(第51条第1項)
(2)在職者、離職者のほか、コーオプ教育参加者、技術実習生、インターン、労働組合又は求職者に、セクシャルハラスメント、性差別等の争議が発生した場合も適用されます。(第2条及び第3条)
3.管轄裁判所
民事訴訟では、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属することを原則としていますが、本法施行後は、役務提供地を管轄裁判所とすることができます。使用者が原告の場合も、労働者は、役務提供地を管轄裁判所として選択することができます。(第6条)
4. 訴訟及び強制執行の裁判所手数料
(1)民事訴訟を提起する場合、第一審では、原告から訴額の約1%を裁判所に納付する必要がありますが、本法施行後、労働者又は労働組合が雇用関係の確認又は賃金、退職金若しくは解雇手当の支払に係る訴えを提起又は上訴する場合、裁判費の2/3が一時的に徴収免除されます。(第12条第1項)
(2)強制執行の申立ては、裁判所に執行金額の0.8%(千分の8)の執行費用を納付する必要がありますが、本法で労働者が強制執行を申立てるとき、執行目的金額が新台湾ドル20万元を上回る場合は、当該超過分については執行費用が一時的に徴収免除され、執行によって得た金額から直接控除されます。(第12条第2項)
5. 調停制度及び後続の訴訟手続
(1)訴訟手続の前に裁判所による調停手続が行なわれます。当該手続は、裁判官、労使専門調停委員2名の計3名で構成する調停委員会より原則として非公開で行なわれます。 労働調停手続は、特別な事情がある場合を除き、申立て日から30日以内に第1回の調停期日を指定し、3ヶ月以内に3回で終了しなければならず、不成立の場合は、同一裁判官が引き続き審理します。(第16条、第25条)
(2)訴訟に移行後は、事件が複雑又は審理上必要でない限り、裁判所は1回の弁論での終結を原則とし、
6ヶ月以内に審理を終結させるとしています。(第32条)
6. 賃金報酬の推定
(1)従来の訴訟手続では、原告より主張事項について立証責任を負う必要がありましたが(例:賃金、手
当等債権に係る証拠の提出等)、本法施行後労働者と使用者における賃金の紛争については、労働者が労働関係に基づいて使用者から受領したと証明できる給付で、使用者が、当該給付が恩恵的な給付であることを立証できない場合は、労働者が役務の提供によって得た賃金報酬であると直接推定されます。例えば、出勤記録内に記載された労働者の勤務時間については、すべて労働者が当該時間内に使用者の同意を得て職務を執行し、賃金を得るものと推定されます。
(2)このため、従業員の残業に対して残業申請制度等を定めている会社は、関連手続を確実に実行する必
要があります。さもなければ、法に基づいて従業員の賃金に属すると推定されます。また、これによって労働者の訴訟に係る立証責任が軽減されます。(第37、38条)
7. 保全手続にかかる担保金の減免
労働者が賃金支払い、労働災害補償若しくは賠償、退職金若しくは解雇手当、労工保険に係る賠償及び雇用関係存在確認を請求する事件において、裁判所に仮差押、仮処分又は暫定的な措置の仮処分を申立てる場合、従来は、裁判所より請求対象金額の1/3を担保金として命じられますが、本法施行後、担保金は、請求対象金額の1/10を上回ってはならないとしています。(第47条)
上記重点は、ご参考に供するものです。
事件の実際の状況を勘案の上、解釈及び適用されます。
2019.10.14 |
判決ニュース(著作権) |
「室内設計」は、建築著作物の「その他建築著作物」に属するか否か、また著作権法で保護されるか否か? |
(意訳)
著作権法第5条第9号に例示する「建築の著作物」及び内政部の著作内容の例示では、建築著作物の概括的解釈に「その他建築著作物」がかつて含まれていたが、実務上、所謂「その他建築著作物」の内容について具体的な説明又は解釈は非常に少ない。
これまで建築物内装に関する室内設計もまた、すべて設計図の図形著作物をもって保護できるとするだけで、室内の空間設計に対する保護は欠如している。
2019年、知的財産裁判所は、台北「君品酒店(ホテルパレ・デ・シン)」の客室設計を台東「桂田璽悅酒店(シェラトン台東ホテル)」が模倣したとして、雲朗グループが訴えを提起して主張する事件に対して、この室内設計の保護について、室内設計は建築著作物に属し、著作権法の保障を受けるものであると明確、詳細に説明した。
判決内容の抜粋は、以下の通りである。(知的財産裁判所2019年度民著上字第16号判決)
「建築設計図完成後に続けて行なう細部の図面には、構造図、水道電気図、施工図及び室内設計図が含まれ、図形著作物に属する。係争著作物の内容は、君品酒店の客室設計及び家具装飾品等の配置であり、その性質を調べると建築設計図完成後に続けて行なう細部図面ではなく、図形著作物の範囲に属さない。」
「建築著作物は、3次元の構造物を通して思想、感情を表現する創作物であり、その表現の範囲は、外部から見える外観及びその構造のほか、庭園、景観設計の計画、設計等、建築物の内部空間及び周辺空間も含まれる。建築物は、人類活動に提供する3次元空間の構造物であり、居住、商業、労働、公共空間等その使用目的に符合するため、当然、その内部又は周辺の空間に対して併せて計画と設計を進めなければならない。当該空間の計画、設計は、構造物建築時に併せて設計及び施工、配置し、結合して建築物の一部となるかもしれないし、建築物の主体完成後、別途に内部空間又は周囲の空間に対して計画、設計することもできる。」
「建築著作物と室内設計の固有の意義は、前者は、建築物の外部、構造に対して美感を表現する芸術上の創作物である。後者は、建築物の内部空間に対して美感を表現する芸術上の創作物である。ただし、両者の性質は類似し、かつ、機能上互いに補い合っている。このため、オリジナリティを有する室内設計は、芸術性及び財産上の価値を有し、建築著作物と同等の保護を与える必要がある。」
「著作権法規定が例示でその他建築著作物を定めていることから、室内設計の創作が作者の思想、感情を表現するに足り、かつ、先行著作物と十分区別できる変化を有し、オリジナリティを有すれば、当然、著作権法の保護を受ける理由があり、かつ、建築物が人類の居住使用に供するからには、それ自体も実用性の目的を有している。」
「これより、室内設計の創作物は、オリジナリティを有する場合、著作権法のその他建築著作物が成立し、かつ、建築著作物と同等の保護を享受する。故に室内設計著作物の保護範囲は、室内設計図及び室内設計の実体物を含む。」
2019.08.14 |
労働関連 |
基本賃金の調整について |
基本賃金審議委員会は、14日に2020年1月1日から最低賃金を以下のように引き上げることを決定しました。
行政院の承認後実施されます。
月給:23,100元⇒23,800元(700元増、3.03%引き上げ)
時給:150元⇒158元(8元増、5.33%引き上げ)
2019.08.06 |
台湾への投資について |
投資関連ニュース |
近年の大手テクノロジー企業の台湾への投資に関するニュースでは、Googleが、2018年1月にHTCの2000名の従業員を吸収合併後、3月に「Intelligent Taiwan計画」をスタートさせ、台湾で300名の従業員を雇用し、AI(人工知能)分野において学生5,000名を養成すると発表しました。
また、マイクロソフトも2018年1月に、米ドル3400万元(約36億円)を投資してAIのR&Dセンターを設置することを発表しました。
IBMもまた、2018年3月に、AI、ブロックチェーン技術、クラウドコンピューティングのR&Dセンターを拡大すると発表しました。
これらに関して、台湾のシンクタンクは、台湾は、賃金コストも高くなく、大学で基礎的な工学教育を受けた卒業生が多く、更に進んだ研修を受ける基盤があることを要因としています。また、政府の政策が企業に対して有利であること、特に米国企業は、米中貿易戦争の影響等を懸念して、安定した電力供給等ビジネス環境が整った台湾を選んでいるとしています。
日本企業も、2019年1月8日に楽天が子会社の楽天銀行及び楽天カードが台湾のWaterland Financial Holdings社と共同で台湾における電子メディアによる銀行業務開始を目的とした合弁会社「楽天国際商業銀行」(資本金100億台湾ドル)設立に関する契約を締結し、その後7月31日にネット銀行業務の認可を取得したと発表しました。
2019.08.06 |
台湾への投資について |
台湾概況 |
面積 |
36.197 km² |
人口 |
23,589,870人(2019年5月) |
経済成長率(YOY) |
2.19%(2019年予測値) |
消費者物価上昇率 |
0.94%(2019年5月) |
GNI(一人当たり) |
US$25,501(2018年) |
失業率 |
3.67%(2019年4月 |
工業及びサービス業経常的月給額 |
NT$41,767(2019年4月) |
出所)中華民国統計情報ウェブサイト
2019.08.06 |
台湾への投資について |
統計から見る現況 |
2018年度の台湾への目的別旅客数(再入国者数を含む)を見ると、日本か
らの旅客数は中国についで2番目となっていますが、他国に比べ、ビジネス
と会議を目的とした入国者数が多いという結果になっています。
1990年以降の国外及び日本からの台湾投資金額は、2006、2007年まで増加
しましたが、2008年のリーマンショックの影響により一時減少後、徐々に
回復し、日本からの投資に至っては、2018年は525件、約15億米ドルとなり、
2007年以来最高水準となりました。
業種別では、卸売業、飲食業が多く見られ、これについて投資審議委員会
副執行秘書の楊淑玲氏は、日本の早期の台湾投資は製造業が主であったが、
近年は明らかに多元化し、サービス業の件数が一段と増えているとしています。
他国の投資金額と比較すると、2018年は、香港、イギリスについで日本が
3番目となっています。
2019.08.06 |
台湾への投資について |
台湾の主な法令法規 |
1、投資に関する主な法令法規
①会社法
②企業M&A法
③外国人投資条例
2、会社設立後の主な法令法規
①取引先、顧客 |
民法、商法、会社法、公正取引法、個人情報保護法、消費者保護法、著作財産権関連法等 |
②社内 |
民法、就業服務法、労働基準法等労働関連法令、個人情報保護法、営業秘密法等 |
③官庁 |
食品安全衛生管理法、食品表示法等各業種関連法、税関連法令等 |
2019.07.19 |
労働関連 |
妊婦(労働者)が享有する権利 |
<意訳>
妊婦(労働者)が享有する権利
(1)妊婦検診休暇:被雇用者の妊娠期間において、使用者は、有給の検診休
暇(5日)を与えなければならない。
(2)妊婦安静休暇:
1. 女性被雇用者が医師より安静休養が必要と診断された場合、治療、ケア又は
休養期間の休暇及び給与計算は、関連法令の定めによるものとする。
被雇用者が労働基準法が適用される労働者の場合は、上記の定めに基づき、
労働者休暇規則第4条第2項及び第3項の定めに基づいて行なう。
2. 性別就労均等法第21条の定めにより、労働者が安静休養のために休暇を
申請するとき、使用者は、拒絶、欠勤と見なして皆勤手当、人事考課に影響
を与えたり、その他不利な処分をしてはならない。
上記規定の趣旨は、労働者が法定請求を行使するとき、労働者が元来有する
権益が損われないことを保障するものである。
(3)軽易な業務への転換請求
女性労働者の妊娠期間に軽易な業務がある場合は、転換を請求できる。
使用者は、拒絶並びに賃金を減額してはならない。
(4)妊娠期間の労働権の保障
就業規則、労働契約又は団体協約で、労働者に結婚、妊娠、分娩又は育児の
状況がある場合、離職又は無給休職しなければならないと規定又は事前に
定めてはならない。
またそれを解雇の理由にしてはならない。
(出所:労働部)
2019.05.23 |
労働関連 |
使用者が従業員の職場や業務内容を変更することは合法か否か? |
<意訳>
使用者が従業員の職場や業務内容を変更する場合、契約に定めがある場合を除き、企業の需要を考慮し、従業員の利益を勘案しなければ、その異動命令は権利の乱用に属し、合法ではない。逆に、使用者が上記規定に違反することなく異動命令権を行使した場合、従業員は命令に服従し、異動を拒絶してはならず、また使用者の労働契約違反を主張してはならない。
このほか、従業員が労働契約(又は就業規則)に違反し、その行為が懲戒処分に該当する場合、使用者は、企業におけるチームの運営、経営効率の増進のため、懲戒権を行使せず、代わりに従業員の職務調整をすることができる。また、労働契約は継続的な契約であり、事業の永続的発展の過程において、事業発展又は事業が経営苦境に直面して生じる欠損を減らすために、従来の人材を職務異動をもって活用することができる。事業が従業員応募時に担当させた職務を、事業の外部競争環境の変化又は内部人事管理の必要に伴って調整できないと認めれば、使用者に適時に適所で人材を運用させることができず、事業の存続、発展を妨げることになる。故に使用者が企業経営の必要に基づいて行なう合理的な異動は、労働契約の本旨に違反しないと考える。
(台湾高等裁判所107(2018)年度労上字第89号)
2019.04.25 |
労働関連 |
育児無給休職従業員との雇用関係の終了について |
<意訳>
使用者が育児無給休暇取得中の従業員との労働契約を終了させたい場合、性別工作平等法(男女雇用機会均等法に相当)第17条に基づいて行なわなければならず、所管機関(一般的には現地地方政府労工局)に申請して同意を取得するとともに当該従業員に対して30日前に予告及び解雇手当の支給が必要となります。
なお、使用者が上記規定に基づいて従業員を解雇し、労使双方が労働契約を終了した場合は、当該従業員に育児無給休暇の事実がなくなり、所管機関は更に継続して育児無給休職手当を給付することはできません。
2019.04.15 |
労働関連法令 |
就業保険の加入について |
会社で1人でも従業員を雇用する場合は、処罰を回避するため、直ちに就業保険の加入手続きをしなければなりません。
<意訳>
従業員を5人以上雇用する事業単位は、労工保険の強制的な加入単位となるが1人でも従業員を雇用すると、就業保険の強制的な事業単位となるため、労工保険の強制的な加入単位でなくても、アパート・ビルの管理委員会、塾、医療診療所、市民団体、雇用従業員が4人以下の会社、個人事業主等も従業員の入社当日に就業保険に従業員を加入させなければなりません。
使用者が従業員を就業保険に加入させない場合は、負担すべき就業保険料の10倍の過料を処される可能性があるほか、従業員がこれによって労工保険局に対して失業給付、早期就業奨励手当、職業訓練生活手当、育児無給休職手当及び健康保険保険料補助等の就業保険に関する給付を申請、受領できない場合は、使用者が従業員に賠償する必要があります。
(出所:20190412労工保険局)
2019.04.10 |
労働関連 |
日給及び時給の算出について |
<意訳>
現行の労働基準法では、常勤労働者は週5日(40時間)の労働時間の他に、2日の休日(休息日1日及び定例休日1日)があり、使用者は、休息日及び定例休日についても通常通り賃金を支給しなければならないと定めています。つまり月給制の常勤労働者は、どの日にも相対する賃金があるため、給与の月額を30で割って平日1日の賃金を算出し、更に8で割って「平日時給額」を算出します。
労働部は、例として、労使双方が定めた月給が36,000元の場合、日給は1,200元、時給は150元となるとしています。これは、残業代を計算する際の基礎として用いる他、自己都合休暇、普通傷病休暇などで賃金を控除する際も同様です。
(出所:労働条件及び就業平等司)
2019.02.19 |
労働関連法令 |
「離職事由」について会社と従業員間で争議が生じた場合、如何に届出を行なうべきか? |
(意訳)労働者と使用者が雇用関係を終了後、労使双方が離職事由に対して異なる認識を有することから調停を申請し、その後使用者が労働基準法第11条第5号に基づく労働契約の終了に同意し調停が成立した場合、使用者は調停成立当日より3日以内に就業服務法第33条第1項但書の定めに従って届出を行なわなければなりません。
(資料引用:新北市政府)
2019.01.31 |
労働関連法令 |
使用者が解雇の届出を行なう必要がないのはどのような場合か? |
- 従業員の自主的な離職
- 有期契約の期間満了による離職
- 従業員が労働基準法第12条に定める状況に該当し事業者から解雇された場合
(資料引用:新北市政府)
2018.11.12 |
労働関連法令 |
労働事件法が最終可決されました |
<意訳>
立法院は、2018年11月9日に第9回第6会期第8回会議を召集し、「労働事件法」を最終可決しました。当該法は、総則、労働調停手続、訴訟手続、保全手続、附則等の5章、全53条で構成され、重点は、以下のとおりです。
1、専門的な審理:労働専門法廷の設立
2、労働事件範囲の拡大:産学共同教育に参加する企業と学生間の事件、求職
者と求人企業間等に生じる紛争も範囲に加えた。
3、労働調停委員会の設置と特殊調停手続:裁判官1人と労使専門家の調停委員
2人により調停を進める。
4、労働者の訴訟に係る障害を軽減:労働者は、労務提供地の裁判所で訴えを
提起できる。労働者が納付する費用の負担及び立証責任を軽減する。
(例:労働者に十分な選択権を与え、妥協して会社所在地に行かなくても労
務提供地、支店所在地において訴えの提起が可能。逆に、使用者が労働者
を訴える際は使用者に決定権はなく、労務提供地にて行う。この他、労働
者が訴えを提起する場合は一部訴訟費用の納付猶予が可能。)
5、迅速な手続:労働調停は3回以内での終結、労働訴訟は1回の弁論での終結を
原則とする。
6、紛争統一解決機能の強化:同一の事実、原因に基づき共同の利益のある労
働者の紛争を併合して一緒に解決する。
7、即時有効な権利保全:労働者の保全処分申立てに係る疎明義務と立担保の責任の軽減。
なお、司法院は、労働事件法成立後、積極的に関連子法及び各措置を制定するとしています。(資料引用:司法院民亊庁公告)
2018.10.30 |
商品表示法 |
商品に中国語表示が必要か? |
<意訳>商品表示法では、商品表示に用いる文字は繁体字を主とし、英語又はその他外国語で補足することができるが、簡体字で表示してはならないと定められています。また国内市場に輸入商品を流通させる際、輸入業者は、本法の規定に従って中国語表示及び説明書を加えなければならず、その内容について、原産地の表示及び説明書を簡略してはなりません。ただし、国外メーカーの名称及び所在地については、中国語で表示しなくてもかまいません。このほか、繁体字で表示したものであっても、それが本国で使用しないものは使用できません。例えば、「社名」を「会社名称」に置き換える等はできません。(資料引用:経済部)
2018.08.16 |
労働関連法令 |
労使会議の開催について |
<和訳>
労働基準法第83条に、労使関係を協調して労使間の協力を促し、業務効率を高めるために、事業単位は、労使会議を開催しなければならないと定められています。このため、労働基準法が適用される事業単位は、従業員を雇用していれば人数の多寡を問わず、法に基づいて労使会議を開催しなければなりません。
事業単位の労働者数が3人以下の場合、労使双方が労使会議の代表となります。また、労使会議実施弁法第2条第1項では「事業単位は、本弁法の規定に従って労使会議を開催しなければならない。その事業場所の労働者数が30人以上の場合、分けて開催しなければならない。その運営及び労使会議代表者の選挙は、本弁法に定める事業単位の関連規定を準用する。」と定めています。
このため、事業単位が既に法に基づいて労使会議を開催していても、別に事業場所があり、かつ人数が30人以上の場合は、法に従って別途労使会議を開催しなければなりません。
(台北市政府労働部 労使関連科)
2018.07.11 |
労働関連法令 |
台風休暇について |
「台風8号」の台湾北部への影響に伴い、7月11日を「停班停課」(休業休校措置)とするか否かについて、台北市及び基隆市等は通常通り、新北市、桃園市等は「停班停課」と、各自治体で異なる判断が下されました。
このため、居住地は「停班停課」、勤務地は通常通りというケースも少なくないと思われますが、これに対して労働部は、労働者の居住地、勤務地が「停班停課」又は通勤で「停班停課」と通達された地域を必ず経由する場合、労働者は出勤しなくてもよいとしています。
また労働部は、労働者が自然災害のため出勤しなかった場合、使用者は当日の賃金を給付する義務はないが、曠職と見なしたり、皆勤手当の不支給、事後に当該未出勤を補うために振替出勤を要求するなど不利な処分をしてはならず、業務上労働者を出勤させなければならない場合は、労使協議のうえ同意を得なければならないとしています。
毎年、台風が接近、上陸するので、ご留意ください。
2018.03.30 |
労働関連法令 |
労工保険出産育児給付金の受領について |
(意訳)労工保険局は、労働者が妊娠期間において労工保険に加入しており、かつ、労工保険加入期間が満280日後に分娩又は満181日後に早産した場合はたとえ保険脱退後の出産でも、上記の規定に符合すれば、保険加入平均月額給与に応じて労工保険出産育児給付金を受領できるとしています。
離職後の国民年金保険期間に出産し、労工保険と国民年金保険双方の給付金の受領資格に符合する場合は、どちらか一つを選択しなければなりません。労工保険の給付金が国民年金保険の給付金に勝ることが多いことから、先に国民年金保険の給付金を申請しても、労工保険局は、該当者に対して金額が多い労工保険の給付金の受領に変更するよう通知するとしています。
(出所:2018年3月30日労工保険局ニュース)
2018.03.12 |
労働関連法令 |
改正労働基準法Q&A |
(意訳)
Q:残業の代休への振替が法制化された後、労働者が残業代を取得できないという状況が生じませんか?
A: 労働者の休息日出勤又は残業後、使用者は、労基法第24条に従って残業代を支給しなければならず、一方的に代休への振替を要求し、残業代を不払いに
してはなりません。違反した場合は、法に基づいて新台湾ドル2万元以上100万元以下の過料に処されます。
Q:2018年2月28日以前に残業を代休に振替えた時間がある場合、今回改正された規定が適用されますか?
A: 2018年3月1日からは、労働者が残業又は休息日出勤後に代休への振替を選択した場合に労基法第32条1が適用され、2018年2月28日以前に労使双方で代休への振替を既に約束していたものについては、労使双方の約束に従って処理してください。
Q:労働者の特別休暇年度終了日が2018年3月1日以前の場合、労使双方で協議後に翌年度に繰り越すことはできますか?
A: 改正法施行前に、特別休暇年度終了又は労働契約終了時の未消化分については、使用者は法に従って買取るものとし、繰越しはできません。
(出所:労働部)
2018.02.27 |
労働関連法令 |
代休延長期限について |
(意訳)一部改正された労基法が3月から施行され、労基法施行細則改正案も労働部長から正式に承認、行政院の審査に送られました。当該改正案では、残業の代休への振替えについて、振替最終期限は特別休暇に準じて必ず年度内に消化し、最長でも1年を超過できず、そうでなければ残業代を支給するとしました。
労働部は、母法が労使により代休期限を約することができると既に定めていることから、当該期限を1箇月、3箇月と約することはできるが、使用者が労働者の代休に係る権利を蔑ろにすることを避けるため、年度をもって最終期限とすることを明らかに定めるとしました。
この他、改正労基法で、特別休暇を次年度まで繰越できると新たに定めましたが、施行細則でも、労働者が特別休暇を取得する場合は、繰越した特別休暇を優先して消化することとし、繰越した特別休暇の未消化分を清算する場合は、前年度の給与基準をもって計算するとしています。
(出所:2018年2月13日経済日報抜粋)
2018.01.15 |
労働関連法令 |
労働基準法第32条-1 |
(意訳)
行政院労働部は、2018年1月10日に「労働基準法」第32条の1を追加し、当該条文の精神を「労働者の残業に対して、使用者は残業代を支払う義務があり、代休の選択権は労働者にある」として「代休」について明文化しました。
労働部は、本条について更に下記のように説明しています。
1、残業に係る代休が制度化された後、労働者は残業代を受領できなくならな
いか?
なりません。
使用者は、労基法第24条に従って労働者の休息日の出勤又は残業に対して残業代を支給しなければならず、一方的に代休を要求してはなりません。違反した場合は新台湾ドル2万元以上100万元以下の過料に処されます。
2、労働者の実際の残業時間に基づいて代休にすると労働条件の低下とならな
いか?
労働条件に変更がある場合は別途協議が必要です。
労基法は、労働条件の最低基準を規範するものであり、使用者が既に労働者
と労基法を上回るものを定めている場合、いずれの変更もすべて労働条件の改変となり、労働者の同意を得なければならず、使用者が労基法の改正によって一方的に労働条件を下げ、労働者の権益に損害を及ぼしてはなりません。
3、労働者の代休は、使用者から無給休暇と相殺されないか?
されません。代休の選択権は労働者にあり、使用者が労働者の希望する代休
日に同意せず、交渉が成立しなくても、使用者は労基法第24条に従って賃
金を支給しなければならず、使用者から相殺されることはありません。
4、代休選択後、代休を消化できなかった場合は残業代を受領できるか?
できます。
労働者が代休を消化できなかった場合、使用者は法に従って賃金を支給しな
ければなりません。
(2018/1/10労働条件及び就業平等司ニュースより)
2018.01.10 |
労働関連法令 |
労働基準法一部条文改正について |
台湾立法院は、2016年12月に一部改正された「労働基準法」について、
一部条文改正案を本日1月10日に最終可決しました。
項目 |
改正案(1/10最終可決) |
第24条
休息日出勤の労働時間及び賃金 |
現行の第三項規定を削除し、休息日出勤の労働時
間及び賃金は実際の出勤時間に基づいて計算する。
|
第32条
延長労働時間の上限 |
現行の1箇月で46時間を超えてはならないとして
いた延長労働時間の上限について、使用者が労働
組合の同意を得たとき、又は事業組織に組合がな
い場合は労使会議の同意を得た後、1箇月の上限
を54時間、3箇月の上限を138時間とすることが
できる。 |
第32条-1
延長労働時間の
代休振替 |
労働者は代休の取得を選択することができ、定め
た期間内又は離職前までに当該代休を消化できな
かった場合は、賃金を受領することができる。 |
第34条
勤務間インターバル(シフト勤務者の勤務終了時から次の勤務開始までの休息時間) |
現行の最低連続11時間の休息時間を与えるとしていた勤務間インターバルについて、使用者が労働組合の同意を得たとき、又は事業組織に組合がない場合は労使会議の同意を得た後、連続8時間を下回らない休息時間に変更することができる。 |
第36条
休日 |
中央目的事業主管機関の同意を得た、かつ、中央主管機関が指定する業種については、使用者は労働組合の同意、又は事業組織に組合がない場合は労使会議の同意を得た後、現行の第1項、第2項第1号及び第2号に定める休日を7日毎の周期内で調整できる。 |
第38条
特別休暇(年次有給休暇) |
年度終了又は契約終了において必要であった未消化日数の買上げについて、労使双方の協定によって次年度への繰り越しを可能とした。次年度終了又は契約終了時に依然として未消化の日数について使用者は買上げなければならない。 |
(参考:労働部ウェブサイト、関連ニュース)
2017.10.12 |
労働関連法令 |
残業代の支給について |
<日本語意訳>
使用者が労働者に残業させた場合は、規定に従って残業代を支給しなければならないと労働基準法第24条に定められています。労働者が残業後に自ら残業代の受領を放棄し、代休の取得を希望することは、当該法律で禁止されてはいませんが、会社が一方的に残業を一律代休に振替えると定めることは違法となります。
労使双方は、事前に労働契約、就業規則、内部規範で残業を一律代休に振替える旨定めてはなりません。労働者が自身で選択できるように残業申請書に「残業代受領」及び「代休」欄を設け、チェックを入れるようにすることを提案します。
労使双方において残業代受領又は代休振替で争議が生じた場合(例えば、部署管理職によって残業後は一律代休振替を行い残業代を申請してはならないと定められているとして労働者が申し立てた場合など)は、使用者より立証しなければなりません。また、労使双方は、労働者の残業前に以後残業代を請求する権利を放棄することを定めてはなりません。(労働部改組前行政院労工委員会98年5月1日労働2字第0980011211号解釈通知参考)
(台北市労働検査処 2017/7/27 14:16より)
2017.10.05 |
労働関連法令 |
基本賃金の調整について |
労働部は、2018年1月1日から毎月の基本賃金を22,000元、1時間あたりの基本賃金を140元に調整しました。労働部は、労働基準法第21条に基づいて賃金は労使双方により決定されるが、基本賃金を下回ってはならず、基本賃金は、中央所管機関である労働部が基本賃金審議委員会を設け、審議後、行政院より審査、確定すると説明しています。
今回の月額22,000元への引き上げで約166万人、時給140元への引き上げで約39万人が恩恵を受けると予測されています。
(行政院労働部労働条件及び就業平等司2017/9/6より)
2017.09.27 |
労働関連法令 |
大量解雇労働者保護法 |
<日本語意訳>
労働者の勤労権の保障と使用者の経営権との調和を図り、事業単位による大量の従業員の解雇によって労働者の権益に損害が及ぶ又は損害を受ける虞が生じることを回避するため、我が国は特別に「大量解雇労働者保護法」を制定している。
労働者の大量解雇とは、事業単位が労働基準法第11条に定める各事由に該当、又はM&A、組織変更によって労働者を解雇する場合で、かつ、次のいずれかに該当する場合を指す。
1、同一事業単位の同一工場が雇用する労働者数が30人未満で、60日以内に10人を超える労働者を解雇するとき
2、同一事業単位の同一工場が雇用する労働者数が30人以上200人未満で、60日以内に雇用労働者数の3分の1又は1日に20人を超える労働者を解雇するとき
3、同一事業単位の同一工場が雇用する労働者数が200人以上500人未満で、60日以内に雇用労働者数の4分の1又は1日に50人を超える労働者を解雇するとき
4、同一事業単位の同一工場が雇用する労働者数が500人以上で、60日以内に雇用労働者数の5分の1又は1日に80人を超える労働者を解雇するとき
5、同一事業単位が60日以内に200人を超える又は1日に100人を超える労働者を解雇するとき
前項各号の雇用及び解雇労働者数の計算に、就業服務法第46条に定める定期契約の労働者は含まれない。
事業単位が大量解雇するとき、第2条(上記)に定める状況に符合する日から60日前までに解雇計画書を所管機関及び関連単位又は人員に通知し、公告掲示しなければならない。所謂所管機関とは、中央は労働部、直轄市は直轄市政府、県(市)は県(市)政府をいう。
(大量解雇労働者保護法より)
2017.08.24 |
手形法 |
手形法一部改正について |
<日本語意訳>
手形法の約束手形に係る改正が予定されています。関連報道及び所管機関の金融監督管理委員会の説明によると、「強制執行の申立て」が可能な約束手形の範囲が以下のように減縮されます。
客観的:振出人が金融業又は集中保管結算所に「支払代理人」を委託した約束手形
主観的:所持人は、銀行業、農業金融機構、証券先物業、保険業又は払込資本金額が新台湾ドル2億元以上のファイナンスリース業
裁判所への申立て後に速やかに債務名義を取得できる現行の簡便なものとは異なり、上記条件を備えていない約束手形はすべて一般的な訴訟手続を行い、裁判所の審理、判決確定後に初めて債務名義を取得することになります。
ただし、最終的に改正されるか否かは、三読可決後に確定します。
(金融監督管理委員会ニュース、2017/8/17より)
2017.07.31 |
労働関連法令 |
国定休日の出勤について |
<意訳>
「労働基準法」は、国定休日の出勤について、使用者は必ず残業代及び代休を同時に与えなければならないと定めていない。
国定休日及び天災日に、使用者が労働者に出勤を要求する場合の補償について、労働部は、「労働基準法」第39条に従って使用者が労働者の同意を得て国定休日に労働させる場合、賃金は倍額、即ち当日の賃金を通常通り支給する他、更に1日分の賃金を支給するか、又は労働者が休暇日に出勤後、使用者と代休の取得を協議できるが、倍額の賃金を支給後、更に代休を与えなければならないとは定めていないと説明している。
(労働条件及び就業平等司2017/7/12より)
2017.06.19 |
労働関連法令 |
労働基準法施行細則改正重点 |
<意訳>
「労働基準法施行細則改正ー特別休暇実施重点」
行政院労働部は、週休二日(「一例一休」一法定休日一休息日)の新制度規定に適応するため、2017年6月16日に「労働基準法施行細則」を改正しました。
今回の改正重点は、次のとおりです。
1、平均賃金算出時に排除すべき項目を明文化
2、有給休暇支給期間、未消化有給休暇の買取時期及び計算方法を明文化
(1)使用者は、労働者が有給休暇取得条件に符合した日より30日以内に労働
者へ有給休暇の取得を告知しなければならない。
(2)労働者が法に従って取得する有給休暇は、労使双方の協議により各労働
者の入社日から起算、暦年制(1/1~12/31)、教育単位の学年度、事業単
位の会計年度又は労使双方が定める期間に行使できる。
(3)労使双方が定める休暇支給期間の年度終了日又は契約終了時、使用者は
労働者の有給休暇未消化日数に応じて、1倍の賃金を支給しなければなら
ない。
(4)有給休暇支給期間内に未消化の有給休暇に係る賃金は、契約に定める賃
金支給日又は年度終了日から30日以内に支給する。
契約終了時に未消化の有給休暇に係る賃金は、「労働基準法施行細則第9
条の規定に従って支給する。
3、使用者が労働者を法定労働時間外又は休息日に労働させた場合、すべて延長労働時間とする。
2017.05.27 |
民法 |
司法院大法官会議解釈文(婚姻自由の平等) |
<日本語意訳>
司法院大法官(台湾における最高司法機関)は、5月24日に第1457回会議を行い、釈字第748号解釈を作成した。
解釈文
民法第4編「親族」第2章「婚姻」では、同性カップルが共同生活を営むことを目的として親密性及び排他性を有する永久的な結合関係を成立することができず、この範囲において、憲法第22条に保障する婚姻の自由及び第7条に保障する法の下の平等の意図と異なる。
関連機関は、本解釈交付日より2年以内に、本解釈意図に基づいて関連法律の改正又は法制化しなければならない。どのような形式をもって婚姻自由の平等保護を達成するかに至っては、立法形成の範囲に属する。
期限内に関連法律の改正又は制定がない場合、上記の永久結合関係を成立した同性カップルは、民法「婚姻」の定めに基づいて、二人以上の証人による署名の書面を持参のうえ戸籍所管機関に出向き結婚登記を行うことができるものとする。
理由概要
1、「結婚の自由は、憲法第22条により保障されている」
結婚の自由には「結婚するか否か」及び「誰と結婚するか」の自由が含まれる。この自主的な決定は、人格の健全な発展と人間性の尊厳の擁護に関係する重要な基本権であり、憲法第22条の保障を受けなければならない。
2、「民法の婚姻に係る規定は、同性カップルの婚姻の自由を排除しており、憲法第22条に反する」
民法第972条では、一男一女に限り婚約できると定められており、結婚当事者についても同一の解釈がなされる。また、同章では、婚姻当事者の呼称、権利、義務に関して定められており、当該章が結婚を一男一女の結合に限って認め、同性カップルが法律上の婚姻関係を結べないという結果をもたらしている。婚姻の自由は、人格の健全な発展と人間性の尊厳の擁護に関係し、親密で排他的及び永久的な結合関係を生む各生理的、心理的要求について言えば同性愛者と異性愛者に違いはなく、すべて憲法の保障を受けるべきである。 現行の婚姻章では、共同生活を営むことを目的として親密で排他性を有する永久的な結合関係を同性カップルに結ばせず、立法上の重大な瑕疵があることは明らかである。この範囲において、憲法第22条の婚姻の自由に反する。
3、「性的指向もまた憲法第7条に定める平等権の規範の範囲に属する」
憲法第7条で明確に定めている5種の差別禁止事由は、例えに過ぎず、すべてを列挙したわけではない。性的指向等その他事由で基準を分け、待遇を差別したとしても平等権の規範が及ぶ範囲である。性的指向は、変え難い個人の特徴であり、その成因も多様である。現在、国内外の重要な医学組織はすべて同性に向かう性的指向は決して疾病ではないと既に考えている。同性愛者は、過去において社会的な伝統及び風習によって、各種の事実上又は法律上の排斥又は差別を受け、民主的な手続きでその法律上の劣勢地位を逆転させることを期待することは困難であった。このため、その合憲性を判断するため、性的指向で基準を分けて生じた待遇差別は、比較的厳格な審査基準を適用しなければならない。その目的は、重要な公共利益を追求しなければならないほか、その手段と目的の達成には実質的な関連性がなければならず、それがあって初めて憲法が保障する平等権の意図に合致する。
4、「子孫繁栄できない、倫理秩序への影響を理由に同性者が結婚できないのは憲法第7条に違反する」
婚姻に係る規定は、生育能力を有することを婚姻要件とはしておらず、また結婚後に出産できない若しくは出産しないことを理由に婚姻を無効、取消又は裁判の離婚事由になると定めてはおらず、子孫繁栄は婚姻に不可欠な要素ではないことが明らかである。同性カップルが自然に子女を生育できない事実は、異性カップルが客観的に出産できない又は主観的に出産しない結果と同じである。このため、子孫繁栄できないことを理由に、同性カップルを結婚させないことは、合理的な差別待遇でないことは明らかである。同性カップルが、民法における婚姻の実質と形式要件の規定に基づいて、法律上の婚姻関係を成立させ、かつ、婚姻関係存続中及び終了後の双方の権利義務規定の遵守を要求することを認めても、現行の異性婚姻制度が構築した基本倫理秩序に影響しない。
5、「2年以内に法律を改正又は法制化するものとし、期限内に完了しない場合、婚姻規定に従って結婚登記ができるものとする」
どのような形式(民法改正、特別法制定又はその他形式等)で法律を改正又は制定するかについては、立法形成の範囲に属する。期日までに完了できなければ、同性カップルは、婚姻章の規定に基づいて結婚登記ができ、法律上の配偶関係の効力が生じ、配偶の権利義務を行使又は負う。
現行婚姻章の異性婚姻制に関する当事者身分及び関連する権利義務は、本解釈によって改変することはない。
2017.05.03 |
労働関連法令 |
休日出勤の代休について |
法律では、労働者が休日出勤「後」に代休を選択することを禁止していません。ただし、労使双方が労働者の権益及び使用者の人材配置に影響を及ぼさないことを前提に、代休に係る基準、期限及び期限までに消化できない時間について如何に処理するか等きちんと定める必要があります。
労働者の休日出勤後に代休を選択する意思表示がない場合、使用者は法に基づいて休日出勤に係る賃金を支給しなければならず、休日出勤後は代休しか選択できないと一方的に定めることはできません。
(行政院労働部 労働条2字第1060130937号より)
2017.03.02 |
労働関連法令 |
労働者の手待時間について |
観光バスの運転士の業務内容のように、使用者の指揮監督下にある時間又は手待時間は労働時間に属します。「労働基準法」の所謂「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮監督下にある、使用者の施設内又は使用者が指定する場所において労務を提供する、又は労務を提供するための待機時間を指します。
この他、「労働基準法」第35条では、労働時間4時間毎に労働者へ必ず30分の休息時間を与えることを使用者へ要求しています。所謂「休息時間」とは、労働者が使用者の指揮監督から離れ、自由に利用できる時間を指します。
このため、運転士が使用者の命令を受け、労務を提供するために随時待機する時間(手待時間)は労働時間に属します。また1日の労働時間において、同時に休息時間の規定も必ず遵守しなければなりません。
(労働条件及び就業平等司 2017/2/18より)
2017.01.12 |
労働関連法令 |
会社の忘年会は労働時間にあたり残業代の支給が必要か否か |
雇用主が従業員の1年の苦労に対して心遣いを表すため、習俗に基づいて年末に尾牙(忘年会)を催し従業員を慰労することについて、労働部は、尾牙は娯楽行事であり、従業員は個人の意思で自由に参加し、強制ではないことから、当該時間は労働時間ではなく残業代の問題はないとしています。(行政院労働部 労働条件及び就業平等司2017-1-8より)
2016.12.29 |
労働関連法令 |
特別休暇日数計算(Q&A) |
Q(労働者):2017年10月1日で勤続満1年になります。勤続満6箇月で与えられる特別休暇3日は既に消化しました。勤続満1年後の特別休暇は4日(7日-3日)のみになりますか?
A:特別休暇日数は、労働者の勤続年数に基づいて計算されます。労働者は、勤続満6箇月で3日の特別休暇が与えられ、勤続満1年の際に別途7日が与えられ、残り4日のみということはありません。
例:2016年10月1日:入社
2017年4月1日から:3日の特別休暇
2017年10月1日から:7日の特別休暇
2016.12.13 |
労働関連法令 |
労働基準法現行規定と改正案の比較 |
<現行規定と改正案の比較>
項目 |
現行 |
改正案(12/6最終可決) |
第24条
時間外労働賃金 |
|
(第36条に定める休息日に勤務した場合について新たに規定)
2時間以内:時給×1と3分の1 以上
3時間目以降:時給×1と3分の2 以上を割増
勤務時間が4時間以内の
場合は4時間、
4~8時間は8時間、8~12
時間は12時間として計算。 |
第34条
勤務間インターバル(シフト勤務者の勤務終了時から次の勤務開始までの休息時間) |
適当な休息時間を与える。 |
最低連続11時間の休息時間を与える。 |
第36条
休日 |
7日毎に少なくとも1日の休息を与え、定例休日とする。 |
7日毎に2日の休息を与え、1日を定例休日、1日を休息日とする。 |
第37条
国定休日 |
19日 |
週休2日制に合わせ、内政部の規定に従って全国統一 |
第38条
特別休暇(年次有給休暇) |
勤続満1年 7日
満3年 10日
満5年 14日
満10年 15日
満11年より1年につき
1日加算
満25年 30日
|
勤続満6箇月 3日
満1年 7日
満2年 10日
満3年 14日
満5年 15日
満10年 16日
満11年より1年につき
1日加算
満24年 30日 |
2016.12.08 |
労働関連法令 |
労働基準法改正案最終可決 |
立法院は、「労働基準法」の一部条文改正案を12月6日に最終可決しました。これによって2017年1月1日から全国の一般労働者の週休2日制が実施され、国定休日が統一されます。主な改正内容は次の通りです。
1、第36条 休日(7日毎に2日の休息を与え、1日を定例休日、1日を休息日とする)
2、時間外労働賃金の計算方法
3、国定休日の統一
4、特別休暇(有給休暇)日数
5、賃金支給における各項目計算方式の提供
6、勤務間インターバル
7、労働者申立て
2016.11.10 |
労働関連法令 |
労働者退職金条例一部条文改正 |
立法院は、「労働者退職金条例」第5条、第24条、第46条及び第48条の条文改正案を11月1日に最終可決し、
勤続年数が満15年以上の労働者は、退職金の給付について一括給付又は月次給付を選択できることになりました。
2016.10.07 |
労働関連法令 |
離職後の競業禁止について |
労働部は、労使間における離職後の競業禁止に係る約定について
2016年10月7日に労働基準法施行細則で以下を明確に制定しました。
1、離職後の競業禁止に係る約定は書面で行う
2、労働基準法第9条に定める合理的な範疇
3、競業禁止に係る約定の合理的な補償
上記2及び3の詳細につきましては、当事務所までお問い合わせください。
2016.09.09 |
労働関連法令 |
基本賃金の調整について |
行政院労働部基本賃金審議委員会は、8日に基本賃金について決議しました。
時給:2016年10月1日より126元、2017年1月1日より133元(従来より13元引き上げ)
月給:2017年1月1日より従来の20,008元より21,009元(従来より1,001元引き上げ)
上記は、労働部より行政院に報告のうえ正式に決定されます。
2016.08.25 |
労働関連法令 |
従業員の解雇について |
トランスアジア航空が設立したLCCのVエアが近々運航を停止し、従業員を大量解雇することになりました。解雇に関する注意事項は、次のとおりです。
1、就業服務法第33条:「使用者が従業員を解雇するとき、従業員の離職10日前までに解雇される従業員の姓名、性別、年齢、住所、電話、担当業務、解雇事由及び就業指導必要有無等について現地の所管機関及び公立の就業服務機構に届け出なければならない。」なお、期限までに届け出をしない場合、所管機関は第68条に基づいて新台湾ドル3万元以上15万元以下の過料に処することができると定められています。
2、解雇対象者数に係る比率が「大量解雇労働者保護法」に定める大量解雇にあたるか否かに注意する必要があり、「大量解雇」にあたる場合は、所管機関に解雇計画書を提出し、労使協議を行わなければなりません。
3、使用者は、法令に基づいて解雇手当、予告期間の給与等を計算し支給しなければなりません。
2016.07.01 |
労働関連法令 |
連続勤務日数について |
労働部は、内政部の1986年の解釈令「台内労字第398001号」を2016年6月29日に廃止し、8月1日より労働者に対して7日毎に少なくても1日の休日を与えなければならず、7日連続勤務をさせてはならないとしました。また、上記解釈令の廃止により、従来、当該解釈令を適用して可能であった最大12日の連続勤務(1日目休日、6日連続勤務、翌週6日連続勤務後7日目休日)はできなくなりました。
2016.05.18 |
労働関連法令 |
性別工作平等法の一部改正について |
「性別工作平等法」(日本の「男女雇用機会均等法」に相当)の一部条文の改正が2016年5月18日に公布され、5月20日より施行されます。今回の改正のポイントは、次の3点です。
1、授(搾)乳関連規定の緩和
(1)被用者の仕事と育児の両立を強化し、政府が進める母乳育児政策に合わせるため、被用者の授乳期間を子女が2歳になるまでとし、使用者は、規定の休憩時間のほか、毎日、別途、授(搾)乳時間として60分を与えなければならない。
(2)労働時間を延長する際の授(搾)乳の必要性も考慮し、被用者が1日の通常の労働時間以外に延長する
労働時間が1時間以上に達したとき、使用者は、別途、授(搾)乳時間として30分を与えなければならない。
2、さらに多くの被用者に授乳育児と託児サービスを提供するため、育児に好意的な職場環境を作り、従来、被用者が250人以上の使用者に対し適用していた授(搾)乳室、託児施設又は適切な託児措置の提供を、被用者が100人以上の使用者まで適用範囲を拡大した。
3、使用者は、セクハラ行為の発生防止義務に基づき、当該行為の発生を知ったとき、直ちに有効な是正及
び救済措置を施し、職場のセクハラにより訴訟となり、被害者が司法機関の通知を受領して出廷するとき、使用者は公休を与えなければならない。
(2016/5/18 労働部労働条件及び就業平等司ニュースより抜粋)
2016.03.08 |
税務関連法令 |
商品の外税表示可否について |
税務主管機関は、税金の納付漏れを防止するため、中華民国100(2011)年1月26日改正「加値型及び非加値型営業税法」第32条及び第48-1条において定価の表示について業者が商品価格を表示するとき、税込価格で表示し、価格表示において(税抜)等を追記してはならないとし、違反者に対して追加納税のほか、最高で1万5,000元の過料に処することができると定めています。(参考:行政院及び立法院「加値型及び非加値型営業税法」法案改正草案説明2011/1/26)
2016.02.17 |
労働関連法令 |
競業禁止条項について |
昨年12月に「労働基準法」が改正され、競業禁止条項等について定められました。先に労働部が公布した「仮訳:労使双方が離職後の競業禁止条項を締結する場合の参考原則」及び今回改定を予告した「施行細則」でも、労使双方は書面をもって競業禁止条項を定めること、期限は最長で2年を超過してはならないこと、競業禁止の範囲は従来の会社の営業範囲を限度とするとし、細則でも競業禁止を定める場合は、従業員の競業禁止期間の生活を維持するために従業員に一定の保障をあたえなければならないとし、保障措置を定めない場合、離職後の競業禁止条項は無効となるとしています。
2016.02.16 |
労働関連法令 |
無給休暇期間における妊婦検診休暇等について |
労働部は、被雇用者が無給休暇期間に妊婦検診休暇、出産付添休暇又は安胎休暇(仮訳:流産防止休養休暇)を申請したとき、使用者は「性別工作平等法」(日本の男女雇用機会均等法に相当)に従って拒絶することはできず、妊婦検診休暇又は出産付添休暇期間については「無給休暇」前の労働契約に基づいて賃金を支給し、流産防止休養休暇期間中の給与については関連法令の規定に従うとしています。
2016.01.21 |
労働関連法令 |
失業給付について |
被保険者が失業又は育児無給休暇期間において、別途、他単位の責任者に就任したとき、当該単位が非営利事業であることを証明できる場合、法に従って失業給付金又は育児無給休暇手当を支給する。(労働部「労動保1字第105010035号」通達)
2016.01.01 |
会社法 |
会社法第235条等の改正に伴う定款の変更について |
2015年5月20日に改正会社法が公布され、旧会社法第235条の改正等のほか、新たに第235-1条が追加されました。これにより、会社は当年度の利益の一定額又は比率を、従業員特別賞与として分配することを定款に定めなければならないとしました。会社法の改正に伴う定款の変更例は、次の通りです。
第X条:当会社の年度決算において利益がある場合、利益の○○%(又は○○元)を従業員特別賞与として分配しなければならない。ただし、会社に繰越損失がある場合は、先に補填しなければならない。
第X+1条:当会社の年度決算において利益がある場合、先に税金を納付し、繰越損失を補填し、次に10%を法定利益準備金として積立て、その残りを株式で配当するほか、なおも残額がある場合は、株主総会の決議によって(有限会社は株主の同意により)株主に配当する。
備考:取締役及び監査役特別賞与は定款において定めることができるが、定めないことも可能であり、株主総会の決議によって支給します。
資料出所:経済部104.6.11経商字第10402413890号函
2015.07.20 |
労働関連法令 |
妊婦検診の休暇申請単位について |
被雇用者の実際の妊婦検診の需要に合わせ、フレキシブルに妊婦検診休暇を活用してもらうため、労働部は5月29日に「性別工作平等法」(男女雇用機会均等法に相当)第15条の解釈通達を発表し、妊婦検診を被雇用者の実際の需要によって「半日」又は「時間」単位で選択でき、選択後は変更できないことを定め、即日効力発生としました。(2015年5月29日労働部ニュースより抜粋)
2015.07.05 |
労働関連法令 |
2015年7月1日からの等級表の修正について |
2015年7月1日より基本賃金が月額NT$19,273からNT$20,008に調整されることに伴い、「労工保険加入給与等級表」「労工退職積立金月額積立賃金等級表」(共に仮訳)が修正され、7月1日より適用されます。
(労工保険局2015年5月29日ニュースより抜粋)
2015.06.08 |
労働関連法令 |
育児無給休職と皆勤賞与について |
育児無給休職は、労働契約が中止されている状況であり、勤続年数に算入しません。労働契約に定める賃金項目に皆勤賞与が含まれている場合、無給休職未出勤期間については、給付する必要はありませんが、無給休職期間前後の労務提供期間については、依然として使用者は比例に基づいて皆勤賞与を支給する必要があります。(労働部104年5月27日労動条4字第10401360878号令)